Excelで文字列を操作する関数は、データ整理や資料作成において非常に重要なスキルです。この記事では、よく使われるExcelの文字列操作関数を、中学生でも理解できるように分かりやすく解説します。
目次
Excel文字列操作関数とは?
Excel文字列操作関数とは、セルに入力された文字や文章を加工するための機能です。例えば、「田中太郎」という名前から「田中」だけを取り出したり、複数のセルの文字をつなげて一つにしたりできます。
これらの関数を覚えると、大量のデータを効率よく整理できるようになります。
基本的な文字列操作関数
文字数を数える(LEN関数)
文字列が何文字あるかを数える関数です。
使い方:
=LEN(文字列またはセル参照)
例:
=LEN("こんにちは")
→ 結果:5- セルA1に「プログラミング」が入っている場合:
=LEN(A1)
→ 結果:8
実用例:
- 氏名の文字数チェック
- パスワードの文字数確認
- 住所の長さ測定
文字列を結合する(CONCATENATE・&)
複数の文字列をつなげて一つにする関数です。
CONCATENATE関数の使い方:
=CONCATENATE(文字列1, 文字列2, ...)
&演算子の使い方:
=文字列1&文字列2&...
例:
=CONCATENATE("田中", "太郎")
→ 結果:田中太郎="田中"&"太郎"
→ 結果:田中太郎- セルA1に「田中」、B1に「太郎」がある場合:
=A1&B1
→ 結果:田中太郎
実用例:
- 姓と名を結合してフルネーム作成
- 住所の番地と町名を結合
- 商品コードと連番の結合
文字列を切り出す(LEFT・RIGHT・MID関数)
長い文字列から必要な部分だけを取り出す関数です。
LEFT関数(左から切り出し):
=LEFT(文字列, 文字数)
RIGHT関数(右から切り出し):
=RIGHT(文字列, 文字数)
MID関数(途中から切り出し):
=MID(文字列, 開始位置, 文字数)
例:
=LEFT("東京都渋谷区", 3)
→ 結果:東京都=RIGHT("sample.xlsx", 4)
→ 結果:xlsx=MID("2024年12月25日", 5, 2)
→ 結果:12
実用例:
- 郵便番号から都道府県コード抽出
- ファイル名から拡張子取得
- 生年月日から月日だけ取得
文字列を分割する(TEXTSPLIT関数)
一つの文字列を指定した文字で分割する関数です(Excel 365・2021以降)。
使い方:
=TEXTSPLIT(文字列, 区切り文字)
例:
=TEXTSPLIT("りんご,バナナ,オレンジ", ",")
→ 結果:りんご、バナナ、オレンジ(それぞれ別セル)
実用例:
- CSVデータの分割
- 住所の都道府県・市区町村分割
- 商品名とサイズの分離
文字列を置換する(SUBSTITUTE・REPLACE関数)
文字列の中の特定の部分を別の文字に変える関数です。
SUBSTITUTE関数(文字を置き換え):
=SUBSTITUTE(文字列, 検索文字, 置換文字)
REPLACE関数(位置指定で置き換え):
=REPLACE(文字列, 開始位置, 文字数, 新しい文字)
例:
=SUBSTITUTE("今日は晴れです", "晴れ", "雨")
→ 結果:今日は雨です=REPLACE("2024/12/25", 6, 2, "01")
→ 結果:2024/01/25
実用例:
- 電話番号のハイフン除去
- 全角数字を半角数字に変換
- 不要な文字の削除
検索・判定系の関数
文字列を検索する(FIND・SEARCH関数)
文字列の中で特定の文字がどこにあるかを調べる関数です。
FIND関数(大文字小文字を区別):
=FIND(検索文字, 文字列)
SEARCH関数(大文字小文字を区別しない):
=SEARCH(検索文字, 文字列)
例:
=FIND("@", "test@example.com")
→ 結果:5=SEARCH("EXCEL", "excel関数")
→ 結果:1
実用例:
- メールアドレスの@マーク位置特定
- ファイル名のピリオド位置確認
- 特定文字の存在確認
条件に応じた処理(IF・ISNUMBER関数)
検索結果に応じて処理を分岐する関数です。
使い方:
=IF(ISNUMBER(SEARCH("検索文字", 文字列)), "見つかった", "見つからない")
例:
=IF(ISNUMBER(SEARCH("株式会社", A1)), "法人", "個人")
→ 会社名に「株式会社」が含まれていれば「法人」、なければ「個人」
大文字・小文字の変換
英語の文字列で、大文字と小文字を変換する関数です。
UPPER関数(大文字に変換):
=UPPER(文字列)
LOWER関数(小文字に変換):
=LOWER(文字列)
PROPER関数(最初だけ大文字):
=PROPER(文字列)
例:
=UPPER("hello world")
→ 結果:HELLO WORLD=LOWER("HELLO WORLD")
→ 結果:hello world=PROPER("hello world")
→ 結果:Hello World
空白・不要文字の処理
文字列の前後にある余分な空白を取り除く関数です。
TRIM関数(余分な空白を削除):
=TRIM(文字列)
CLEAN関数(印刷できない文字を削除):
=CLEAN(文字列)
例:
=TRIM(" こんにちは ")
→ 結果:こんにちは=CLEAN(A1)
→ セルA1の印刷できない文字を削除
実用例:
- 入力データの整形
- 外部データの不要文字削除
- コピペ時の余分な空白除去
実践的な使用例
これらの関数を組み合わせて、実際の業務でよく使われる処理を作ってみましょう。
例1: メールアドレスからドメイン名を抽出
=MID(A1, FIND("@", A1)+1, LEN(A1))
A1セルのメールアドレス「test@example.com」から「example.com」を取得
例2: 氏名を姓と名に分割
姓: =LEFT(A1, FIND(" ", A1)-1)
名: =MID(A1, FIND(" ", A1)+1, LEN(A1))
A1セルの「田中 太郎」から姓「田中」と名「太郎」を分離
例3: 電話番号の統一形式化
=SUBSTITUTE(SUBSTITUTE(SUBSTITUTE(A1, "-", ""), "(", ""), ")", "")
様々な形式の電話番号からハイフンやカッコを除去
例4: 商品コードの生成
=UPPER(LEFT(B1, 3))&RIGHT("000"&C1, 3)
商品名(B1)の最初3文字と連番(C1)を組み合わせて「ABC001」形式のコード生成
まとめ
Excel文字列操作関数は、データ処理作業を効率化する強力なツールです。今回紹介した関数をマスターすることで、以下のような作業が簡単にできるようになります。
- 大量データの一括整形
- 氏名や住所の分割・結合
- メールアドレスや電話番号の統一
- 商品コードの自動生成
- 不要文字の一括削除
これらの関数は単体で使うだけでなく、組み合わせることでより複雑な処理も可能になります。まずは基本的な関数から覚えて、徐々に組み合わせ技にチャレンジしてみてください。
Excel文字列操作関数をマスターすれば、面倒なデータ整理作業が劇的に楽になります。ぜひ、実際の業務で活用してみてください!
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